和菓子屋さんは洋菓子のよさも取り入れつつ、ゆったり気持ちよく買い物を楽しませますよね。やすらぎのある店づくりをしていると思います。ケーキ屋だって、ただ単にお菓子を売るだけの店ではなく、やすらぎを与えるようなプラスアルファが必要な時代ですよね。例えば、今回の店、広いでしょ？これを多様に展開しプラスアルファを生み出したいんです。
　 でも、使い方はスタッフ全員に託すつもりです。お菓子教室もスタッフに担当してもらいます。何かを教えることは、人に感動を与えることだし、そのためには勉強が必要です。そういう場を常にスタッフに提供していたいと考えています。店はすべて人。自分で考え、行動し、成果を出す組織をどうやってつくれるかが店づくりのポイントです。
　お菓子づくりに関しても、食材は自分で食べておいしいものを使うという考え方でそれぞれの判断にまかせています。ただし、この地域に自分たちが作ったものよりおいしい菓子があれば、うちでは作らないことにしました。例えば、都城のお菓子屋さんがつくるカステラはどこも本当においしいんです。なのでこの地区では店にカステラが必須とされていますが、検討のすえ、その必須もおいしい店におまかせ、うちで作るのはやめたんですよ。

（2001年11月・談話)